炭次郎の全集中を目指せ!呼吸に秘密に迫る!

今回は呼吸の事に付いて先生に伺います!
このサイトを見たお母さんが思うのは「歯医者さんなのにどうして呼吸のことまで心配するの?何でそこまで?」という事だと思うんです。キッカケはあったのでしょうか?

私が一緒に勉強している勉強会のメンバーが、いくら(歯並びが)キレイになっても戻っちゃう、と。
噛み合わせと歯並びしか見ていないっていうんです。

それだけ見てもらえれば十分じゃないんですか???

食事で歯と歯が接触している時間、つまり噛んでいる時間って、24時間中でせいぜい30~40分。
呼吸している時間は24時間している。
呼吸位(こきゅうい:呼吸している時の噛み合わせ)を真剣にやったらどうなるのかな?というところからスタートして。
今井先生の「あいうべ体操」は、呼吸位をよくしているんですよ。
呼吸がよくなるから、冷え性が治ったり、アトピーや鬱がよくなったり。

今井先生の「あいうべ体操」は、呼吸位をよくしているんですよ。
呼吸がよくなるから、冷え性が治ったり、アトピーや鬱がよくなったり。
今まで歯医者さんはご飯を食べる事が私たちの仕事、200年くらいずっとやってきた(アメリカから200年前伝来しました)
今でも大学では呼吸位は教えていない、中心咬合位(ちゅうしんこうごうい)を教えています。

チュウシンコウゴウイ??

中心咬合位(ちゅうしんこうごうい)ですね。
噛む位置、食べる位置を探るということを大学で教えます、呼吸している時の噛み合わせじゃなくてね。
 
呼吸器の先生も噛み合わせが大事だと分かってて「歯医者さんはなかなかそこまで診てくれない」といってました。
でも今井先生(あいうべ体操の提唱をした先生)みたいな先生もいる。
反対咬合(はんたいこうごう:受け口)の人って、ベロの位置が下になっていて呼吸困難になっちゃう。

えっと・・・本来はどうなんでしたっけ?

本来ベロは、上アゴにくっついているんです。
下アゴにベロが付いていると食べれません、無呼吸はベロが気道をふさいでいる状態です。
寝ているときに呼吸が大事、安静にして免疫が上がる時だから。

知り合いの無呼吸症候群がいて、シーパップ(CPAP:睡眠時無呼吸症候群の治療法。鼻に付けたマスクから空気を送り込む)している人がいます。

シーパップはあくまでも応急処置なので、私たち歯科医が呼吸位をちゃんとできるようにすることが大切。
反対咬合の人は呼吸がうまく出来ていない。
アトピーが多かったり、カッとなったり・・・心理学の先生で、受け口の人は、攻撃的だって論文もあります。

受け口の治療前と後で、こう変わった!みたいのはありますか?

性格が明るくなるし、姿勢がよくなる、前向きになる、アトピーや花粉症が軽減する方もいます。
呼吸していないと免疫が働かない。
炎症が起きにくくなる、自己免疫が関係あるので。

歯医者さんとお医者さんの「医科歯科連携」ってのが、最近進んでいるそうですね。

見る先生は別だけど一人の人を診るわけで・・・血管、心臓、循環器と全部関係ある・・・お互いに連携できればいいなと思います。

世のパパママに、どうやれば伝わるか・・・ご飯も大事だけど酸素はもっと大事ですよね。

一番の食事は「酸素」なんです!
どんなに栄養価の高い玄米を食べても、ビタミンCをとっても、呼吸が健康じゃないと意味がありません(笑)。

大人も家でもスマホを見てるし、電車でもスマホを見ていない大人を見かけないくらいな勢いですもんね。
なのに子供にゲームするなとは言えません・・・。
呼吸に対しての意識は、ない!に等しい。

受け口(反対咬合)の子は上アゴが狭いんです・・・呼吸位が悪い、呼吸量が少ない。
集中できないし眠くなる。
今流行っている「鬼滅の刃」の「全集中の呼吸」ってありますよね。
あれは、大量の息を吸い込んで、血の巡りをよくして、体温を上げて身体能力を高めるんですね。
私たちも炭次郎と一緒で、息をいっぱい吸うといいんです!

そうなんですね!子供たちは一生懸命見ているけど、全然わかっていないくて・・・すいません。

呼吸の練習をするんです。
鬼滅の刃では、口元の息が絵として描かれている。
スーって吐く…息でヒョウタンを割る修行。
鱗滝さんが炭次郎に呼吸のアドバイスをする、細胞の隅々まで酸素がいきわたるように長い呼吸を意識しろと。
全集中の呼吸を極めることで「人間でも鬼のように強くなれる」とされます。

それくらい息が大事ってことなんですね。
それと、受け口って見た目も気になるんじゃないかなと思います。

うちでは「インビザライン(薄くて透明なマウスピース型矯正装置)」と
「ムーシールド(口の周りの筋肉のバランスをとるマウスピース)」でアゴを広げられます。

これがインビザライン
これがムーシールド

子供と大人の7:3くらいの割合でインビザラインやっています。
アゴが拡大していくのが、わかります。
インビザラインってマウスピースを少しずつ大きいものに交換していくんですけれど、
マウスピースが、ちょっとだけズラしたものが送られてくるんです、髪の毛数本分くらい。
最初入れるとちょっとキツい感じがするんですけれど、それで少しずつ歯が動くんです。
それでまた1~2週間したら交換する、という事を繰り返すんです。

以前インビザラインをやっている方にインタビューしたことがあるのですが「帯をぎゅっと巻いている感じ」と言ってました。

これが
こうなる

靴を25の人が24.5を履いているイメージ…入らないことはないけど、ちょっとキツいみたいなイメージです。
1週間したらぴったりフィットになり、ゆるくなるので、そうしたら変えようかって、どんどん歯を動かしていく。
もともとはアゴが狭いんだけど「ぜつぼう」が狭いんですよ。

ゼツボウ?

ベロ(舌)の房(ふさ)で、舌房(ぜつぼう)ですね、口の上アゴ部分です。
実は上アゴが大事で、ここをちゃんと広げてあげないと喋れないし呼吸位がうまくいかない。

これが
★こうなる

↑このアングルって絶対に見られないですよね。
口を180度開けることはできませんし。

こうなると(★)とっても喋りやすくなる、という事は呼吸もすごく良くなる!
人によっては、ベロが固まっちゃってあんまり動いていないこともある。
ずーっと狭い部屋に入れておくと、おかしくなるみたいな。

なるほど。

顔もキレイになります。
まだ乳歯なので、わざと隙間を空けてます、永久歯の方が大きいから。
これで8か月くらい。

8か月!早いですね。8歳だとアゴも広がりやすい?

そうですね、アゴも広がりやすいし・・大人は広がらないです。
大人はスペースを作るために歯を抜くんです・・・子供はアゴが柔らかいから。
歯並びや噛み合わせだけを考えるんだったら大人でもいいけど、呼吸位を考えるんだったら子供がいい、6~8歳くらい、せめて9歳がいいと思います。

ベロが自由に動くって話、新鮮です!

ベロってそんなに大事に思われいない。
今おじいちゃんおばあちゃんって、嚥下(えんげ:飲み込むこと)が大事だといわれてるでしょ?
その時はベロがとっても大事なんです。

むせるむせないは、食べるときの姿勢が大事なんですよね。
脳梗塞後の自分の親とは「あいうべ体操」を一緒にやっています。

ウワサの「あいうべ体操」カード

すごくいいと思います。
噛み合わせと呼吸がよくなるともっと最高。
今井先生は、一生懸命歯医者さんに協力してくれて嬉しいですね。
ベロの位置って大事なんですね。

次のお題はベロにしたいです!

キュウキュウなベロをノビノビさせてあげようよ!プロジェクトですね。
お母さんの中には「アゴを広げるとゴリラ顔になる」とか「顔が大きくなる」とか勘違いする方が多いんですけど、そんなことはありません。
呼吸の道を広げてあげるだけなので。

ベロが自由の意味がやっと分かってきました。
誰も意識していないけど、ベロってすごく大事なんですね。

はい!マイケルジョーダンとかベロを出してシュートします。
シュートする時にバランスを調整してるんだって。
NBAからは危ないから出すなって注意されているんだって。
呼吸の道を確保することが、子供の健康にとても大事。
赤ちゃんもよくべーってしていますよね。

あかちゃんのベロ、かわいいですね!

歯医者さんなのに、呼吸の話。
歯医者さんなのに、ベロの話。
「何屋さんなんですか?」って感じですね。(笑)

あいうべ体操も「べー」が一番大事。
赤ちゃんも実は、バランスとってるんだよね。

マイケルジョーダン、ベロの事、自分でよく気が付きましたね。

無意識なんでしょうね、自然に。
赤ちゃんとマイケルジョーダンって似てない?
どちらも、バランスの調整をしているんだよね。

そういえば、うちの娘も集中すると唇をベロで舐めていますね、動いていますね。

舌房が大きいのかもね。
「呼吸」と「ベロ」と「アゴ」って三位一体ですよね。
デルピエロもベロをベロベロしてます。

とにかくベロの存在を気にしてほしい。

普段受け口の人ってそうなっているんですよ。
あと、救急の気道確保と同じです。
常に死にかけているんですよ、呼吸できないのは死を意味している。

ここがふさがっているか否か、それが問題だ・・

図があると分かりやすいですね!

昔、患者さんの治療時に、不思議に思っていたことがあって・・。

前歯が差し歯の患者さん、どうやっても噛んでいないのに、絶対当たってないのに、しょっちゅう取れるんです。
「当たってもいないのに、何で取れるんやろ?」と思っていたら、呼吸位の時に当たっているから取れるんですね。
食べるときは一切当たらないのに、呼吸しているときに歯と歯が接触している。
噛んでいる時だけを見たら、当たってないのにね。
そういう症例が結構あるんです。
1日24時間のうちに噛んでいるのはせいぜい30~40分。
他の時間は呼吸しているんです。
口呼吸はベロが下についてる、鼻呼吸はベロが上あごに付いている、そのために大事なんですよ!

やっと最後、歯の話になりましたね、かろうじて。(笑)
また次回ジャンジャンバリバリ質問しちゃいますね~!よろしくお願いします!

はい!ジャンジャンバリバリ聞いてください。(笑)
気温差激しいのでくれぐれも風邪ひかないでくださいね!

ありがとうございます、先生もご自愛くださいね~!

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